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海外旅行中に全てを失った私。実際の体験談と帰国までの過ごし方。

旅行準備・豆知識
無事に発給された「帰国のための渡航書」
この記事は約30分で読めます。

令和6年(2024年)2月1日、私がいたのはマレーシア・クアラルンプールの中心部「ブキビンタン」ここで人生最悪の日を迎えることになりました。

海外旅行中にパスポート、スマートフォン、現金とカードの入った財布の盗難にあった私の不幸を「馬鹿な人がいるもんだ」と面白がって読んで頂いても結構ですし、実際に海外旅行中にパスポート、スマートフォン、カードの紛失や盗難にあって困ってる人の参考になるかと思い小説っぽくブログ記事を書き上げてみます。

第一章:冷や汗が止まらない。

2024年1月29日の朝、関西国際空港を出発して、到着したのはマレーシア・クアラルンプール。

無事入国し、ホテルにチェックインし、数日間はブルーモスクとして有名な「スルタン・サラフディン・アブドゥル・アジズ・モスク」に行ったりクアラルンプールからバスで2,3時間で行ける世界遺産の街・マラッカに行ったり順調に旅を続けていました。

私は、世界15カ国をひとりで旅をして海外滞在日数は約100日。人口の25%しかパスポートを保有しておらず、海外へ行ったのは修学旅行、社員旅行、ハネムーンくらい方が大半を占める日本国内でなら比較的、海外渡航の経験がある部類に属すと思います。

そんな私が人生で最も最悪な1日をマレーシア・クアラルンプールで迎えることになりました。

2024年2月1日19時過ぎ、マラッカへの日帰り観光を終えて、ホテルの近くのブキビンタン駅まで戻ってきました。iPhoneの充電が残り5%でもうすぐ切れそうだったけど、小腹が空いたので駅の交差点にあるマクドナルドでちょっと休憩することにしました。この判断が私の旅を狂わせることになるなんて…。

※ブキビンタン駅の交差点にはドン・キホーテや伊勢丹といった日本でも馴染みのある商業施設があったり、クアラルンプールで最も栄えているエリアです。

セルフオーダーパネルでチーズバーガーセットを注文し、充電が切れそうなiPhoneはカバンの中に入れて触らないようにして、食事を済ませて席を立った時に気付いた。

無い。ポシェットがない。パスポートは?iPhoneは?財布は?全部無い!!!!!

基本的にはポシェットを肩にかけたまま食事をしたりする事も多いのですが、今回は1番端の席で右側が壁になる席に座ってたので、ポシェットは壁側に置いてました。背もたれは座ったらちょうど、頭が隠れるくらいの高さの壁で、私の背後では複数の方が食事をしている。そんな間取りの店舗です。

一旦、行動を振り返ることにしました。ポケットに入っていたレシートを確認したら、19時30分に自動注文機でチーズバーガーセットを注文している。無いと気づいたのは20時過ぎくらい。私はこの約30分の間に全てを失ったのです。

  • 充電切れそうなiPhoneを充電するためにホテルへ戻ればよかった。
  • 一昨日もマクドナルドを食べてたはずなのに、なんでまたマクドに来たんだ。

いろいろ考えながら、マクドナルドのクルーに事情を説明すると、店長から「防犯カメラをチェックしたければ警察に行け」と言われました。

日中は33度くらいまで気温が上がり、夜20時過ぎたくらいには過ごしやすい25度くらいの気温に落ち着くクアラルンプールで止まらない冷や汗。マクドナルドにいても無いものは無いので、私はとにかくホテルへ戻ることにしました。

第二章:ホテルに戻ってからした事

手元にあるのは腕に付けてるApple Watchとポケットに入ってたマクドのレシートだけ。冷や汗が止まらない中でも冷静に考えながら、何をするべきか考えてホテルに到着して気付いたのは、ルームキーが無い!

ルームキーもポシェットの中に入れていた私は、スタッフの方に事情を説明してスペアキーを受け取り、自分の部屋に戻りました。

私が失ったのは以下の通り

  • パスポート
  • iPhone13 mini
  • JAL CLUB-AゴールドカードJGC (VISA)
  • ACマスターカード
  • 現金 RM100
  • ホテルのルームキー

自分の部屋にある荷物から取り出したのは、盗難に遭ったiPhone13miniと同一AppleIDでログインしているiPad。基本的に全てが同期してあるし、iPhone13miniからクラウドにアップしてあるものは全てこのiPadで見れます。このiPadでするべきことをGoogleで検索しました。
後は、仕事用で持ってきていたiPhoneSE2のサブ機。スタジオのiMacと同期させるため、盗難に遭ったiPhone13miniとは全く同期性もなくほぼ別人格とも言えるiPhoneです。povoのSIMカードを挿してるので、仕事で使う用の携帯電話番号が生きている!!

ネットの情報を調べていると、パスポートだけを失くした人、スマホだけを失くした人、財布だけを失くした人のブログ記事は多くありますが、私のように全てを失った人の情報は見かけませんでした。基本的にすることは変わりませんので、パスポートを失くした人がすること、スマホを失くした人がすることの情報を見ながら今できることを順番にこなしていくことに。

まず、盗難に遭ったiPhoneをiPadから盗難モードに切り替えました。
充電が切れそうな状態で盗難にあったので、なんとか盗難モードになってくれることを願いながらiPhoneをブロックしました。

次に、盗難に遭ったクレジットカード2枚を利用停止するための手続きをしました。
iPadのLINEから日本にいる母親に電話をし、かわりに停止手続きを依頼し、数分後には停止できたとメッセージがありました。

そして、最後にパスポート。時間も夜21時ごろ、今のところすぐに出来ることは何もない状況。
在マレーシア日本国大使館のHPに掲載されている情報によるとポリスレポート(盗難届・紛失届)が必要とのことでしたので、一通りするべきことが落ち着いたら、警察へ行くことにしました。

警察へ届け出る前にiPadでeSIMを購入してiPhoneSE2のサブ機にアクティベートさせました。

現在の状況と今、手元にある物を整理したのがこれ。

  • Wi-Fi環境でしか使えない「iPad」
  • 通話可能で通信環境の整ったiPhoneSE2(サブ機)
  • 海外キャッシング不付帯のJCBカード
  • 日本円の現金が約12,000円
  • Apple Watch

その他に、日本国内用の財布に運転免許証などが入ってましたが、マレーシアじゃ身分証明書にならない。パスポートのコピーは持ってくるの忘れてた。

第三章:警察へ。ポリスレポート発行まで

宿泊していたホテルのレセプションでチェックアウトの際にお願いして貰ったコピーのコピー。これの存在に早く気付いてたら、交番や警察署のたらい回しにならなくて済んでいた。

サブ機のiPhoneSE2、iPad、クレジットカード(JCB)を持って20時45分頃にホテルを出発し、近くの警察署へ向かいました。

https://maps.app.goo.gl/mKPFRhf4a5qyeZca6

事情を説明するとここでは対応できないからここに行ってくれと言われ、15分歩いて向かったのがこちら

https://maps.app.goo.gl/35s2Y4xncodRRArw9

どうやら最初に訪れたのは、警察本部のようで日本で言うところの大阪府警、奈良県警のような場所だったようです。次に訪れたのは、大阪府警〇〇警察署のような少し小さめの場所でした。

ここで事情を説明すると、対応してくれることになりましたが、身分を証明するものが一切ない。

パスポートのコピーすら無いことが、ポリスレポート発行まで必要以上の時間を要することになりました。

発行年月日と有効期限は覚えていたのですが、パスポート番号は覚えていませんでした。当然ながら予備の仕事用iPhoneやiPadにも情報が全く残ってません。旅券番号が無いとポリスレポートも発行できないと言われました。

後々、冷静に考えたら、航空会社の会員ページにログインすれば、私の旅券番号は登録してあるので閲覧できましたし、ホテルのフロントにはチェックインの際に取ってあるパスポートのコピーがあったんです。急な出来事で気が動転しており、精神的にも疲れ切ってた私はとっさの判断ができなかったのです。

今度は「ここのX階に行って下さい。遠いのでGRABやタクシーで行った方がいいよ」と言われましたが、仕事用のiPhoneにアクティベートしたばかりのeSIMの通信状態があまり良くなくてインストールするのに時間がかかるのと現金を1円も持ってない私は、25分くらいかけてこちらまで歩きました。

https://maps.app.goo.gl/A3SzU9n9nHqSHCHA7

入館前のセキュリティゲートでiPhoneとiPadを預けて入館。

言われるがままに別室に案内されて、なんでパスポートがないんだ。なんでパスポート番号わからないのか?などとしつこく威圧的に質問されました。こっちは疲れてるんだから勘弁してくれと思ってると、先ほど記した通りに航空会社などの会員ページを辿ればパスポート番号がわかるかもしれない!と閃いたのです!

もう少し早く気付いてたら、25分も歩かずに済んだはずです。

I have a my passport number in my iPhone maybe!!!
(iPhoneの中に旅券番号あるかも!)

と憎たらしい警察官に言うと、もし分かるなら1階のオフィスに行ってくれ。と言われました。

セキュリティゲートまで戻り、iPhoneSE2のインターネット共有をオンにして、テザリングしたiPadで航空会社の会員ページを調べてるとAirAsiaのマイページにパスポート番号が有りました。番号を控えて1階の窓口に行くと事情聴取の上、ポリスレポートを発行してくれました。この時点でホテルから出発して1時間以上が経過し、時間は22時を過ぎており、盗難被害にあってから2時間以上が経過してました。

第四章:今から現場を確認しに行くぞ

警察署から警察官と一緒に盗難現場へ。一緒に現場検証を行った。

ポリスレポートを受け取ってすんなり帰れるわけでもなく、窓口で担当してくれた警察官はX階のA氏のところに行くように言いました。そのA氏のところへ行くと当時の事情を事細かく聞かれました。そして、盗難被害に遭ったマクドナルドまで一緒に向かって現場検証をすることになりました。

私が座ってた席、防犯カメラの位置、その他にも当時の状況を事細かく説明しました。後日、防犯カメラの映像を精査して、犯人を特定すると説明を受けました。現場検証が終わり、担当の警察官が店長らしき人物と話し込んでました。

そして、店前で私は警察官にお礼を言い、ポリスレポートを手にホテルに戻ったのがホテルを出発してから2時間半以上経過した夜23時半でした。

現在の状況と今、手元にある物を整理したのがこれ。

  • Wi-Fi環境でしか使えない「iPad」
  • 通話可能で通信環境の整ったiPhoneSE2(サブ機)
  • 海外キャッシング不付帯のJCBカード
  • 日本円の現金が約12,000円
  • Apple Watch
  • ポリスレポート ←New!!

第五章:帰国までの長い道のりが始まった。

ポリスレポートをもらうのにここまで長文になるくらい中身が濃いのですが、まだまだ長い道のりが続きます。本当なら翌日の夕方にマレーシア・クアラルンプールからインドネシア・ジョグジャカルタへ移動する予定でしたが、パスポート再発行にはかなりの時間がかかるし、「帰国のための渡航書」なるものでは、日本以外の国に行けないと言う事実が判明し、翌日からの航空券、宿泊ホテルのキャンセル手続きを急いでしました。

ホテル予約は毎回、Agodaを利用しており、前日まで無料キャンセルが可能だったので、今後宿泊予定だったホテルの宿泊代は全額返金されました。航空券はLCCやキャンセル不可を条件に安い航空券を利用していたため、返金額は0円。致し方ないです。

この日に出来ることは全て済ませたので、なかなか眠気が来ないが頑張って寝ました。

翌朝、2月2日。
本来ならこの日の夕方の便でジョグジャカルタへ向かう予定でしたのでホテルの滞在もこの日まで。
朝9時ごろにチェックアウトする際には、フロントのスタッフが私をとても心配そうな目で見つめていました。デポジットとして預けてた50リンギットを受け取り、バックパックを背負いホテルを出発しました。

荷物を全部持って前夜に盗難被害に遭ったマクドナルドの交差点にあるスターバックスへ。
現金は50リンギットと約12,000円しか持ってないので、極力JCBカードが使える店ではカードを使いました。スタバはJCBが使えたので助かりました。

スタバのおしゃれなソファ席から大使館へパスポート盗難の件と「帰国のための渡航書」発行について確認の電話をしました。

必要なものは下記にまとめてます。

ちなみに、在マレーシア日本国大使館は完全予約制。ネット予約も可能でしたが、確認すると5日後の2月7日(水)以降しか枠が空いておらず、パスポートを紛失しており悪用される危険性がある以上そこまで待つのは難しいと判断し、帰国のための渡航書発行について確認した後、そのまま予約もお願いしましたが、枠が埋まっており最短でも2月7日以降とのこと。

まぁ、土日を挟むし、5日待ってからの手続き開始でも遅くないけど早い方が良いなぁ。と思ってたら電話中に月曜日の10時の枠が1つ空いたとの事。土日明けで忙しい月曜日の午前の枠がタイミング良く空くなんてほんまかいな。と疑いつつも、2月5日(月)10時に訪問する予約を取ることができました。それまでに必要な書類を揃えないといけません。

「帰国のための渡航書」発行に必要なもの

  • ポリスレポート
  • 戸籍謄本
  • 背景無しの顔写真2枚
  • 手数料 80リンギット
  • 帰国便の予約(日本への直行便)

以上のものが必須です。

日本国大使館に用意してある「紛失一般旅券届出書」と「渡航書発給申請書」の記入も必要です。

ポリスレポートは昨夜に警察署でもらってるのでOK。
戸籍謄本は日本にいる家族にお願いして送ってもらった写真をメールに添付して送信でOK。ただし、帰国後に原本の郵送必須。

いつ日本に帰れるかわからないのに、帰国便の予約はさすがにできませんので、仮予約画面のスクリーンショットでOKとのことです。この便で帰ると言う意思表示が大事なのかな?と思います。

第六章:帰国準備と必要書類準備

帰国のための渡航書発給に必要な証明写真を撮影した場所

現在の状況と今、手元にある物を整理したのがこれ。

  • Wi-Fi環境でしか使えない「iPad」
  • 通話可能で通信環境の整ったiPhoneSE2(サブ機)
  • 海外キャッシング不付帯のJCBカード
  • 50マレーシア・リンギット(1,500円相当) ←New!!
  • 日本円の現金が約12,000円
  • Apple Watch
  • ポリスレポート

現時点で帰国に必要なもの

  • 戸籍謄本(写真OK)
  • 顔写真2枚
  • 80リンギット
  • 帰国便の予約

まず、日本にいる家族に連絡して役所に行ってもらい戸籍謄本を取ってもらうお願いをしました。大使館職員との電話の中で、おおよその帰国までの道筋がついたので、帰国便の予約と今日から宿泊するホテルの予約も行いました。日本みたいにその場で証明写真が撮影できる機会も無いので、写真屋さんを調べてメモした場所がこちら

https://maps.app.goo.gl/bdxaXkhky6Fs9Pjm9

朝から2時間ほど滞在したスタバを後にし、徒歩で写真屋さんまで行きました。撮影とプリント代の価格は22リンギット。
現金しか対応しておらず、所持金は28リンギットになりました。

後は、日本の家族から戸籍謄本の写真が届くのを待つのみ。

流石に28リンギットでは心もとないので、両替所で2万円を両替しました。両替所を使ったのがとても久しぶりで、レートの悪さにびっくりしました。

1万円が300リンギットになりました。

ACマスターカードで500リンギットを海外キャッシングをして当日返済したら15,698円だったので、レート的にもかなり損した気分ですが、これしか方法が無かったので仕方ないですね。

アコムACマスターカードの海外キャッシング最強説を検証!
まさか、空港や街の両替所で両替してませんよね!?めちゃくちゃ損してますので、余程のことが無い限り今後利用しないことを強くオススメします!結論から言うと、今の時代のスタンダードはATMでキャッシングです♪空港や街の両替所はボランティアではなく...

新しく予約したホテルにチェックインするために、地下鉄でブキビンタン駅からチャイナタウンへ向かいました。電車賃は1.60リンギットで約45円。チャイナタウンでホテルを抑えたのには理由があって、旧正月間近で賑やかだと思ったからです。

ホテルに10リンギットをデポジットで預けて、チェックインしたのが15時ごろ。
戸籍謄本の写真が日本の家族から届いてたので、ポリスレポート、戸籍謄本、帰りの航空券予約など必要なものを日本国大使館にメールで送って、問題ないか確認をお願いしたら、これでOKと返信が有りました。後は5日(月)10時に大使館を訪問するだけですることが無くなっちゃいました。

現在の状況と今、手元にある物を整理したのがこれ。

  • Wi-Fi環境でしか使えない「iPad」
  • 通話可能で通信環境の整ったiPhoneSE2(サブ機)
  • 海外キャッシング不付帯のJCBカード
  • 316.40マレーシア・リンギット ←New!!
  • 日本円の現金が約2,000円
  • Apple Watch
  • ポリスレポート
  • 帰国のための渡航書に必要な顔写真

第七章:することないので観光することに。

4年ぶりにパトゥ洞窟へ。土曜日ということもあってか人が多く感じた。

帰国のための手続きも最低限済んだので、2月5日(月)の大使館訪問まで暇な2月3日(土)の朝。

パスポートもスマホも財布も失くした事を忘れて、観光することにしました。
土曜日は、歩いて「ららぽーと」に行ったり、ペトロナスツインタワーに行ったりしました。

日曜日は、4年前にも訪問したことがあるパトゥ洞窟へ行きました。
宿泊していたチャイナタウンからは電車で一本だったので、とても快適でした。

JCBブランドのクレジットカードが使える店もそう多くないので、現金はどんどん減りました。

現在の状況と今、手元にある物を整理したのがこれ。

  • Wi-Fi環境でしか使えない「iPad」
  • 通話可能で通信環境の整ったiPhoneSE2(サブ機)
  • 海外キャッシング不付帯のJCBカード
  • 約250マレーシア・リンギット
  • 日本円の現金が約2,000円
  • Apple Watch
  • ポリスレポート
  • 帰国のための渡航書に必要な顔写真

大使館も休みで、することの無かった土日は観光して気分転換できたので良かったですが、この時点での所持金は250リンギットくらいだったと思います。「帰国のための渡航書」発給に80リンギット、入国管理局での手続きに100リンギット。自由に使えるお金が70リンギット(2,100円)で、これはやばい。

JCBカードがダメなら、日本に置いてきた他のカードをApple Payに登録すれば良い!

この期に及んではセキュリティ面とか言ってる場合じゃないので、そう閃いた私は日本にいる家族に電話して、自宅に保管してあるクレジットカードの券面を撮った写真をLINEで送ってもらうことにしたのです!
それをiPhoneSE2のサブ機に紐付けすることができたら、キャッシュレス対応の店でタッチ決済が可能になるから金銭面では少し余裕が出るはず。

しかし、iPhoneSE2にカード情報を読み込ませるとエラー連発。リクルートカード、楽天カードは何故かエラーが出て、Apple Payに追加できない。でも何故かApple Watchには、楽天カード(MasterCard)が登録できました。

これをきっかけに、Apple WatchでMastarCardのタッチ決済が出来るようになったので、非常に助かりました。これは現地で困り果てた貧乏人が使い勝手の良いマスターカードを手に入れた事を意味します。

現在の状況と今、手元にある物を整理したのがこれ。

  • Wi-Fi環境でしか使えない「iPad」
  • 通話可能で通信環境の整ったiPhoneSE2(サブ機)
  • MasterCardタッチ決済可能なApple Watch
  • 海外キャッシング不付帯のJCBカード
  • 約250マレーシア・リンギット
  • 日本円の現金が約2,000円
  • ポリスレポート
  • 帰国のための渡航書に必要な顔写真

大八章:いざ、大使館へ。

在マレーシア日本国大使館への道のり。大使館の撮影はNGです。

朝、9時過ぎにホテル最寄りのパサセニ駅から大使館最寄りのコンレー駅まで電車で移動し、コンレー駅から在マレーシア日本国大使館までは徒歩5分程度。

セキュリティの都合上、詳細は伏せますが、様々な手続きを経て「在マレーシア日本国大使館」の中へ。

  • 紛失一般旅券届出書
  • 渡航書発給申請書

記入を済ませたこの2通の書類と必要書類を提出し、翌日2月6日(火)午後14時30分に「帰国のための渡航書」を受け取る流れとなりました。10時30頃に入館した大使館を後にしたのは12時くらいで、書類の記入や順番待ちの兼ね合いもあり約1時間30分ほどかかりました。

紛失一般旅券届出書は、盗難に遭ったパスポートを失効させる届出書です。渡航書発給申請書は、「帰国のための渡航書」の発給申請書になります。渡航書発給申請書以外にも、旅券発給申請書でも可能ですが、こちらの場合は通常のパスポートが発給されるため、手続きに時間を要します。緊急性があり急いで帰国する必要がある方はパスポート発給ではなく「帰国のための渡航書」を発給してもらいましょう。パスポートの場合だと2週間程度かかるようです。

そして、翌日の2月6日(火)の午後、再び日本国大使館へ出向きました。例によって様々な手続きを経て「在マレーシア日本国大使館」の中へ入りました。今回は「帰国のための渡航書」を受け取るだけだったのでスムーズに手続きが進みました。80リンギットを支払い、「帰国のための渡航書」を受け取りました。とてもスムーズだったので、30分もかからないうちに大使館を後にしました。

無事に発給された「帰国のための渡航書」

明日、訪問予定の入国管理局では手続きに100リンギット必要で、約150リンギットしか手元に無い私は現金がギリギリ!
Apple WatchにMasterCardを紐づけできて本当に良かった。タッチ決済できない生活なら色々終わってた。

現在の状況と今、手元にある物を整理したのがこれ。

  • Wi-Fi環境でしか使えない「iPad」
  • 通話可能で通信環境の整ったiPhoneSE2(サブ機)
  • MasterCardタッチ決済可能なApple Watch
  • 海外キャッシング不付帯のJCBカード
  • 約150マレーシア・リンギット
  • 日本円の現金が約2,000円
  • ポリスレポート
  • 帰国のための渡航書 ←New!!

第九章:いざ、帰国!入国管理局へ

帰国のための渡航書の顔写真ページはこんな感じです。冊子ではなく偽造防止対策が施された厚紙です。

5日(月)、6日(火)の2日間、日本国大使館で手続きを済ませた私は、翌日の7日(水)の朝ホテルをチェックアウトし、プトラジャヤにある入国管理局へ向かいました。

帰国のための渡航書は発行から1週間が有効期限ですが、渡航書発給する際に予約していた帰国便のフライトスケジュールが、この日の深夜便でした。確実にこの日に入国管理局での手続きを済ませる必要がありました。

自由に使える現金が50リンギット程度しか無いですが、プトラジャヤセントラル駅へはイエローラインで向かいます。ホテル最寄りのパサセニ駅から電車に乗りブキビンタン駅隣のトゥン・ザラック・エクスチェンジ駅(通称TRX駅)で乗り換えて、プトラジャヤセントラル駅まで1本です。確か電車賃は5リンギット程度だったかと思います。

プトラジャヤ駅前にて

プトラジャヤセントラル駅から入国管理局まではGRABを利用しました。
入国管理局へ向かう道中、ピンクモスクとして有名なプトラモスクが見えたのが、印象的でした。

プトラジャヤ入管事務局のビル

入国管理局に到着し、日本国大使館でもらった書類を参考に4階へ。
案内のおばさんに「You have to wear the face mask!!!」と怒られた。

え、マスクなんて持ってないし…

どこで買えば良い?って聞いたら2階で買えと言われたので、2階に行ってみるとフードコートと小さなコンビニ、書類のコピー屋さんなどが有りました。でも肝心のマスクなんて売ってない。Google Mapsでコンビニを調べたら外に出て3分歩いたところにファミリーマートがあることがわかったのでファミマへ向かう。無駄に高い15リンギット(約450円)のマスクをApple Payで購入。自由に使える現金は約45リンギットしかないので、キャッシュレス決済で済ませた。

4階に戻って、先ほどの案内のおばさんが座ってる案内所へ行くと「その手続きは隣」と言われた。
この建物、エレベーターを降りたら左右に入り口があり、50%を外してマスクを購入する羽目になった私はつくづく運が悪い。

帰国のための渡航書と書類を持ってカウンターに行くと「半ズボンはダメだ」と一蹴され、バックパックから長ズボンを取り出して着用し手続きを進める。

  • ポリスレポートのコピー
  • 帰国のための渡航書のコピー
  • 帰国便の予約書のコピー
  • 滞在していたホテルの予約書のコピー
  • 入国時の航空券コピー

などの提出が求められたのと、必要書類に記入するように言われて、両面印刷されたA4用紙を4枚渡された。

再び2階のコピー屋さんへ向かい、ポリスレポートや各種書類のコピーとプリントを済ませる。
スマホに入ってるPDFも指定のメールアドレスに送信するとプリントアウトしてくれる。

手前の書類が窓口で記入するように言われた書類(両名印刷のA4用紙4枚)。奥の書類は帰国便の予約書。

必要書類を全て揃えて、記入が必要な書類も完成させてカウンターに提出したら、入国時に空港のパスポートコントロールでした入国手続きと同じように、指の指紋採取や顔写真撮影が行われました。その後、座って待つように言われて約30分間待機。しばらくすると名前を呼ばれて、「向かいの1番窓口で100リンギットを支払って戻ってきて下さい」と言われ書類を渡される。

よく周りを見渡せば、半分以上の人がマスクしてないのに、マスクをしろと言われたのが本当に腑に落ちない私は、少しばかりの抵抗を込めて、さっきのおばさんの前をマスクもせずに素通りして1番窓口へ。

残金は約145リンギット。ここから100リンギットを払う必要があると思ってたら、まさかの「CARDS ONLY」の張り紙。
キャッシュレス決済を済ませたら、書類に判子が押されたので先ほどの窓口へ戻り、書類を提出。

そして、「帰国のための渡航書」にスペシャルビザのスタンプと書類が渡されて、手続きが全て完了!
時計を見ると入国管理局に到着してから2時間30分以上経っており、時間は12時前でした。

入管事務局での手続きが終わって帰国のための渡航書に正規ルートで入国している証となるスタンプとスペシャルビザをもらいました。

入国管理局は混むので朝から行ってくださいと、大使館職員に教えていただきましたが、本当に時間は掛かるしそれなりに混んでます。他の方々の体験談を拝見すると、昼休みは手続きが全てストップするようですので、朝から行くのが良いかもしれませんね。入国管理局の中にはフードコートが有りましたが、周辺は本当に何もないので時間つぶしも大変だと思います。

スタンプの押された帰国のための渡航書とスペシャルビザ書類

現在の状況と今、手元にある物を整理したのがこれ。

  • Wi-Fi環境でしか使えない「iPad」
  • 通話可能で通信環境の整ったiPhoneSE2(サブ機)
  • MasterCardタッチ決済可能なApple Watch
  • 海外キャッシング不付帯のJCBカード
  • 約140マレーシア・リンギット
  • 日本円の現金が約2,000円
  • ポリスレポート
  • 入管審査済みの帰国のための渡航書
  • 入国管理局の書類 ←New!!

なぜ、入国管理局で手続きをしないと行けないのか?

帰国のための渡航書だけでは帰国できないので、必ず入国管理局で手続きが必要なのですがその理由を簡単にご説明します。

マレーシア当局にはパスポートで私が入国した記録が残ってます。出国する時も同じパスポートでその人の出入国を管理しているわけです。ですが、私が入国した際に使用したパスポートは盗難に遭いました。そして、そのパスポートはすでに失効手続きを済ませております。では、帰国のための渡航書だけを持ってる私は、どうやってマレーシアに入国したのか、いつどこからマレーシアに入国したのか、不明な人の訳です。なので、入国管理局でXX月XX日にYY航空のZZ便でクアラルンプール国際空港に到着して、QQホテルに滞在していたと言う証明をして、この人がちゃんとした手続きを取った上で入国したと見なしてもらう必要があるのです。

なので、入国管理局で手続きを済ませた私は、マレーシアに滞在する資格得たと言うわけです。つまり、正規ルートで正しく入国しており、出国も可能なわけです。

簡単に言うと、改札に入る時に使用したSuicaで改札を出ないといけないのと同じです。私は改札を通った記録のないSuicaで改札を出ることが出来ない状態だったということです。

第十章:いよいよ帰国します。

クアラルンプール国際空港第二ターミナル

帰国に必要な手続きを全て済ませた私は、約12時間後に日本へ飛び立ちます。
現金で支払うつもりだった100リンギットはキャッシュレス決済できたので、手元に140リンギットくらい残ってます。

プトラジャヤからクアラルンプール国際空港はかなり近いのですが、12時間くらい時間もあるので、プトラジャヤからまたブキビンタンへ戻ることにしました。ブキビンタンで昼食を取って、フットマッサージを受けたら、手元に残ったお金も70リンギットくらいになりました。

ココナッツを飲んで、少しだけ思い入れのあるスターバックスでカフェラテを飲み、夕方18時頃に急激な雷雨(スコール)の中、満員電車に揺られまたプトラジャヤへ。プトラジャヤセントラル駅からクアラルンプール国際空港駅へKLIAトランジットと呼ばれる電車で向かいました。

KLセントラル駅からクアラルンプール国際空港駅まで直通のKLIAエキスプレスと言う電車もあるのですが、55リンギットかかります。しかし、時間のある私は、プトラジャヤでKLIAトランジットに乗ることで電車賃を大幅に節約することができました。

出発時間の6時間以上前にクアラルンプール国際空港第二ターミナルに到着しました。

オンラインチェックイン機に予約番号を入力したら、パスポート読み取りを求められます。
私、パスポート持ってないんですけど…。「帰国のための渡航書」を読み込ませたらチェックインできました。

パスポートじゃなく、帰国のための渡航書でも自動チェックイン機(キオスク)で搭乗券を発券できました。

ちなみに搭乗券には、ドキュメントチェックが必要と書かれてましたが、ドキュメントチェックカウンターで確認に10分くらい要した後、そのまま搭乗口へ向かって良いと言われました。

まだまだ時間が5時間以上ある私は、プライオリティパスで入れるラウンジへ。
結論から言いますとラウンジ利用時はプライオリティパスと搭乗券の確認のみなので、パスポートがなくても利用できます。

プライオリティパスの利用条件は搭乗券と会員カードの提示。パスポートは確認されないので、帰国のための渡航書でもプライオリティパス対応ラウンジは利用できる。

空港でのラウンジ利用については、別の記事にまとめてます。

クアラルンプール国際空港第2ターミナルから関西国際空港到着までの流れ

  1. 簡単な手荷物検査
  2. パスポートコントロール
  3. 制限エリアのサテライト内へ
  4. 再び手荷物検査
  5. 搭乗ゲート
  6. フライト
  7. 入国
  8. 税関
  9. 帰宅

ざっくりと説明するとこんな感じです。パスポートがなく、帰国のための渡航書でもほとんど手続きは変わりません。ただ、確認の時間がかなり掛かるだけです。

出国審査場へ向かう前には、搭乗券とパスポートの確認がありますが、空港職員さんは帰国のための渡航書を何度も確認してました。そして、荷物をX線に通すだけの簡単な手荷物検査を済ませて、パスポートコントロールへ向かいます。

出入国管理官は帰国のための渡航書と入国管理局からのレターを入念にチェック。冗談半分で、「May I back to Japan? Maybe no?」(日本に帰れますか?もしかしてアカン?)って聞くと笑いながら「大丈夫だ」と言いながらも5分くらい掛かりました。

出国審査場ではかなり時間を要したが、無事に出国手続きが完了し、帰国のための渡航書にスタンプが押された。

無事に出国審査も終わり、出国のスタンプをゲットしました。そのまま搭乗ゲート方面へ進むと、サテライトと呼ばれるエリアへ到着します。ここには免税店やマクドナルド、フードコートなどがあります。搭乗まで時間がある方はここで過ごすのが良いかと思います。私はサテライトにあるラウンジでシャワーを浴びて、搭乗開始予定時刻の20分くらい前までサテライトで過ごしました。サテライトから搭乗ゲートに向かうとまた手荷物検査場があります。手荷物検査場を通過すると喫煙所は有りませんので、サテライトエリアにある喫煙所でニコチン補給を済ませてから進むことをおすすめします。ここの手荷物検査場は一度通過するとサテライトに戻れなくなるのでご注意下さい。

どこの国の搭乗口でも同じだが、搭乗券とパスポートの確認がある。搭乗券と帰国便のための渡航書を提示したらかなり時間が掛かった。

搭乗ゲートでまた入念なチェックをされました。

帰国のための渡航書と搭乗券をずっとチェックし、どこかに電話をしたり20分くらい待たされました。
そして、ファイナルコールのアナウンスがあり、ゲートクローズのアナウンスも流れる。

まだ私のドキュメントチェックをしている。

ターミナルから機内までの搭乗橋(ボーディングブリッジ)の様子を見ると、機内まで出来ていた長い列も残り数名。日本なら飛行機のドアを閉めることは無いだろうが、ここはマレーシア。日本の常識は通用しません。グランドスタッフに顔写真を撮らして欲しいと言われ、理由を聞くとスタッフの情報共有のためにと言う。しっかりと手続きを済ませてきたのに、最後の最後で今までで一番疑われた。最終的にはエアアジア職員の個人的なスマホで顔写真を撮影されたが、このあたりのセキュリティ意識は東南アジアの感覚では普通なんだろうけどマレーシアを飛び立つ直前に不快な思いをした。

帰国のための渡航書と搭乗券を返してもらい、機内へ向かうと予想通り私が最後の搭乗客だったようです。

機内へ乗り込む搭乗橋手前のモニターには「GATE CLOSED(搭乗手続き終了)」の文字が表示されており、私が最後の搭乗客となった。

寝たり、寝なかったりで朝9時ごろに関西国際空港に到着しました。

機内から降りて、矢印の方向に進んで入国審査場へ向かいました。
日本人は、自動ゲートで入国が完了するわけですけども…私が持ってるのはパスポートでは無い。

職員に「帰国のための渡航書」を渡したら、こちらへどうぞと事務所のような場所の方まで案内されました。
しばらくすると帰国のスタンプが押してある帰国のための渡航書を持って職員が戻ってきました。

普段なら絶対通ることのない、脇道を通り手荷物受取所へ。

バックパック一つで旅してる私はそのまま、税関へ進みました。
税関申告書はVisit Japan Webで済ませてましたので、自動ゲートへ向かいました。

ここでもパスポートのスキャンが求められたので、無理と思いつつも帰国のための渡航書をかざしてみたらエラー。そのまま税関職員の立つブースへ進み、帰国のための渡航書とQRコードを提示したらOKでした。申告するものもなかったので税関も通過。

無事に関西国際空港の国際線到着出口を通過し、フードコートで道頓堀神座でおいしいラーメンを食べて帰宅しました。

以上です。

帰国後の各種手続き

帰宅してからクレジットカードに付帯してる海外旅行傷害保険で盗難に遭ったiPhoneの保険金請求の手続きを開始。どうやら帰国のための渡航書の発給費用も補償の対象になるようです。数日以内に資料を郵送するとのことでした。保険金請求にはポリスレポートや盗難にあった商品の購入時のレシートなどが必要です。

帰国のための渡航書を発給してもらう際に必要だった戸籍謄本は、緊急性も鑑みて写真データで対応してもらいましたが、原本は帰国後に在マレーシア日本国大使館に送付する約束をしてますので郵送の手続きをする。

まとめ

スマートフォンは新しく買えば良いし、クレジットカードの盗難・紛失はいくらでも再発行出来ますが、パスポートの盗難・紛失は本当に大変です。パスポートだけはホテルに保管してコピーを持ち歩いたり、ウエストポーチに忍ばせたりして盗まれない対策をするべきですね。

クレジットカード付帯の海外旅行傷害保険でiPhoneの保険金いくら降りるかなぁ。ポリスレポートは帰国後も利用する機会が多いと思いますので、大切に保管しましょう!

このブログを書いてる人
たるもと

「ひとり旅」「グルメ」「野球」「だんじり」が好きな大阪出身のアラサーです。19歳のときに初めて海外をひとり旅してから、定期的に国内外問わずバックパッカーとして旅をするライフスタイルを実践。旅先の郷土料理や名産物など美味しいものを食べるのが大好き。野球も好きでファンのオリックス・バファローズを追っかけて地方遠征も。地元ではだんじり祭りにも参加する祭り好きです。旅人に役立つ豆知識からオススメのクレジットカード・プライオリティパスの情報まで、旅行スキルが向上する内容を更新しています。基本的にひとり行動が好きです。

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